2人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
そして私はしあわせをおとす
美しいメロディとかが流れてて
泣きたくなるような夕焼けで街が染まってる
すべてが完璧に整ってるよ
今朝苦戦した寝癖さえ始めからなかったみたいに消えてるんだ
こんなにも気持ちが満たされているともう消えてしまいたくなるよ
だから私はそっとため息をつく
小さな兄弟たちが手をつないで帰っていく
もうすぐ空も焼けおわる
さよならをいって眠らなきゃ
眠いと呟いたかわいい娘に
楽しい時間はこれからだよなんていって困らせてはダメ
私がついたため息をひとつあげる
美しいメロディはとうに止んだし
見上げれば夜空
小さな兄弟は温かな家でスープをこぼして叱られてるよ
かわいいあの娘と踊りたいなら約束をしなさい
私はため息をつく
できるかぎりそっと
うんとかすかに
唾を吐きかける度胸なんてないから
ため息をつけばここを見失わなくてすむの
最初のコメントを投稿しよう!