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とりあえず終わり
きれいに泣くもんだなァ、とヒトゴトみたいに見てた。
「…私たち、もうダメね…」
化粧が崩れないように、目から落ちる水を繊細な手つきでさっとすくう女のテクニックといったら!
ダメになる前に、俺らの関係に何かがあったことがあったのか?
そんなことをいったら、爪の長い手がほっぺたに飛んでくるのが分かってるわけで。
ほっぺたを守るべく、その手をつかんだら、メデューサみたいな目で睨まれるのが分かってるわけで。
そして殴られようが殴られまいが、ひどくののしられるのが分かってるわけで。
そんなどうでもいいことは分かるのに、愛ってやつがさっぱり分からない。
「今までありがとう」
そういったら、殴られて、睨まれて、ののしられた。
愛が分かんない、とゆーよりコイツが分かんない。
そんでもって分かりたいと思わないあたり、愛はないのだ。
……多分。
とりあえずこれで終わり。
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