現実

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 やがて炎が消え、女が残る。  真っ白な髪をしている。一糸纏わぬ体は塗れていて、髪の毛が全身に張り付いている。  髪はものすごく長い。ゆうに3mはあるだろう。  総次が一歩も動けず固まっていると、女がゆっくりと体を起こしはじめた。  女が顔を上げ、髪の隙間からその瞳が見えた。 紅、だった。  女の瞳が総次を映す。すると女の瞳から一筋の涙がこぼれた。 ・・―ぁぁ、やっと・・―・・  微かに呟いたかと思ったら、意識を失いその場に倒れ込んだ。  総次は女に近寄り、側に屈んだ。  顔を覗き込んで見たが、やはり見覚えはない。  だが、胸に溢れるこの感情は間違いなく懐かしいという思い。 (会ったことがある・・・んだろう、きっと・・)  総次は記憶より、溢れるこの感情を信じた。 「とりあえず、放っておくわけにもいかないよな…。でも、どうやってつれて帰ろう?」  自分の中で答えを見つけると冷静になってきた。 全身水浸しの全裸の女。しかも、3m以上ある真っ白な髪の毛。  こんなのを背負って帰っているところを誰かに見られでもしたら・・・。  また涙が出そうになった・・・。
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