第二章 一人目のシ者?

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「裕次郎兄貴?」 「ほら。ヤッパリ覚えていたろ~。」 「まだ昼間だぞ。お化けが現れる時間じゃ無いだろ!」 「気にすんなよ~。」 そうだった!昔しも裕次郎兄貴は時間にルーズだった。 なにしろ出入りで、夜6時にカチ込みをかけた事があった。 でも裕次郎兄貴は大酒食らって、マシンガンを持って一人で突進する。 なんと朝の6時の事である。 夜明けにカチ込みされて、相手の組は全滅。 幸蔵らがカチ込みを掛ける時には、裕次郎兄貴はブタ箱の中で寝ていた。 ハットが宙に浮き、そこに裕次郎兄貴が燕尾服を着て立ちあがる。 「おい兄弟。ワインくれないか?折角めかし込んで現れたんだから、石原裕次郎風にさせてくれよ」 裕次郎兄貴は本当の名前は違うが、いつの頃か自分を裕次郎と呼び、周りにも呼ばせていた。 そんな所もワガママの塊りだったが、どうやら死んでから更に進化したみたいだ。
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