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序章
「組長。来週の25日の還暦祝いの進行表が出来ました。」
竜二は、隅田川組組長の前に、懐から出した封書を置いた。
「参加者は招待客を含め何人になった?」
隅田川 幸蔵は鋭い眼差しで竜二を見る。
「はい。200人程になるかと思います。」
幸蔵は手にした封書を、竜二の顔に叩きつけた。
「何が思いますだ。式典は後7日後なんだぞ。まだ名簿も出せんのか!!」
「申し訳御座いません。」
竜二は畳に額をこすりつけて謝った。
オヤジも60にもなるのに気が短い。そのおかげでか、この数年若い衆も入らないでいる。逆に組抜けする輩も出ている始末。まあヤクザ家業は昔も今も楽じゃ無い。
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