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その日の帰り大和は1人で下校していた。
なぜかと言うと、あまり自分の感情を表に表さなかった大和だったが愛香と喧嘩したのだった。
なんのことはない愛香が大和に
「大和って本当に無愛想だよね」
この一言から始まった。
「あのな、毎度毎度思ってたんだけどさ、もう少しボクを一人ににしておいてくれないかな?」
いつもはたわいない会話の中で大和がこれほど長い台詞を話したことに愛香は驚きともう一つ違った意味の苛立ちを覚えた。
「私って邪魔かな?」
うつむき半分泣きそうな声を上げながら
大和にも微かに聞こえるくらいの声量で話した。
「うん。邪魔」
その一言を聞いた途端に愛香は教室から普通に歩いて出ていき昼休み終了の鐘がなったのだった。
1人という空間に大和は新鮮で開放感を得ていた。
しかし、いつも真っ直ぐに帰宅していた大和だったが今日は1人だったので久しぶりに市街地へと足を運んだ。
何がしたいというのではなく人の居るところへ行きたかったのだ。
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