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「どうしたの?」
「それが…
あたし、サーブが入らないンです」
「ウソ!小学校の時、バンバン入ってたじゃん!!」
葵先輩の一言で、沙耶は全てを話し始めた。
「あたしにはお姉ちゃんがいます。
あたしが小5の3月にお姉ちゃんとペアを組んでアメリカの大きい大会に出ました。
無事大会も終わり、帰国する前日、あたしはお姉ちゃんとNYを観光しました。
ホテルに帰ろうとして二人で歩いていると、後ろから誰かがお姉ちゃん話し掛けました。
仲良さそうに話していて『先帰ってて』と言われたので帰りました。
次の日朝起きてもお姉ちゃんは帰ってませんでした。
1週間滞在期間を延ばしても帰ってくる様子はありません。
1年経った今もまだお姉ちゃんは帰ってきません。」
紫苑「それからだよね、サーブ…」
沙耶「…あたしのサーブ、見てもらえませんか?」
「よぉし、沙耶チャムのサーブ絶対入るようにするぞぉ」
そう言って葵先輩は沙耶をコートに連れていった。
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