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「……何それ?ソルト」
「そうそうよく聞いてくれたよ!!これはな」
ソルトは最もらしい疑問をぶつけられると、待っていたかとばかりに期待に笑みを顔に広げた。
「――飛竜の卵だ!」
「………ふーん」
「っておい!驚かねんかよ!」
レイのあまりにも無関心そうな反応にソルトは思わずズッこけてしまった。しかしレイは気になるのか、ちゃんと視線は卵に注がれていた。
「ウソだろ!?どうせ!」
レイはまさかと思ったのか慌てて溝から這い出て、ソルトが持つ卵を覗きこんだ。早速指の間接で卵をノックする。やはりどこか違う感じであった。
自然の飛竜の卵というのは普通は滅多に採れないものだ。親飛竜が守っていて、力ある高等飛竜なら平気で魔力も使ってくる。そんな所から持ってくるだなんて、此処らへんでは常識的ではない。
ましてはむしろ早く返してこないと親飛竜が匂いを辿って……
「バカッ!何持って来てるんだよ!早く返して来ないと親が来るよ!?」
「それなんだけどな……」
レイの激しい剣幕にソルトは落ち込むとは違う別の意味で沈んだ顔を浮かべた。
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