heaven

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  嘘だとは思えなかった。少年が哀しそうに笑ったから。   「どう、して‥?」   シオンの問いに、少年は自嘲気味に笑って首を振った。   「もう時間切れだ」   言葉の意味を理解したのは、少年の両脇に光が現れた時だった。 光はだんだん人の形になり、最終的に一つは、決して若くは無いが、十字架の模様が描かれた服を着た、逞しく背の高い男の姿へと、もう一つは背が小さく肥満気味な、黒い服を着た汚らしい男に変わった。 背の高い男は辺りを見回し、シオン達を一瞥してから変わり果てた緑熊を見て顔をしかめると、少年へと向き直った。
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