もう嫌だ

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やめてやる…絶対に… 「やめてやる!」 「とゆーわけで、辞めます」 菊月 緋夜 主人公 「…何を?」 如月 梨紅 副店長 「ここを!この店を!」 少なくとも緋夜は真剣に言っていた。だが梨紅は軽く笑ってこう言った。 「辞めるって…店長がどうやって?」 緋夜は少し怒り気味に言った。 「それはお前達が勝手に決めた事だろ!俺は関係ない!」 梨紅が心底だるそうに口を開いた直後、部屋のドアが開いた。 「おとりこみ中悪いが、仕事の依頼が入ったぞ」 如月 麗 店員 梨紅は嬉しそうに笑って言った。 「ほらほら依頼だよん。行っておいで、店長」 「俺は辞めたんだ。絶対行かな「緋ちゃんまだ~」 闇慣 好 バイト 好は緋夜を見つけると、風のような速さで連れて行ってしまった。 「…あんたも行ったら?」 梨紅に言われて、麗は何も言わず部屋を出て行った。 「殺人鬼…ですか」 「はい、最近うちの『界』に、凶悪な殺人鬼が出るようになりまして、それを退治して頂きたく…」 ラウ 『界』長 「わかりました。お受けします」 (何を言ってるんだ俺は、ここはもう辞めるのに) 「ありがとうございます!私共も、精一杯協力させて頂きますので、どうぞよろしく頼みます」 「…お任せ下さい」 「さーて、先ず何をやろうか、店長?」 (ま…またやってしまった) いつもこうなのだ。俺が辞めると言い出すと客が来て話しは中断、結局依頼を受けて俺まで手伝って… (このままじゃ、いつもと同じ事に…) 「もしもし店長」 肩を掴む好の手を緋夜は思いきり叩いた。 その目には、静かな怒りが漂っていた。 「いい加減にしろ。俺はもう辞めたんだ」 緋夜の真剣な顔に、最初は戸惑っていた好だったが、やがてニヤリと笑って言った。 「俺の主人は緋ちゃんだけだから、もし緋ちゃん以外だったら… 殺すから」 緋夜は背筋が凍り麗はよく分からず梨紅は口笛を吹いた。 「店長で…いてくれるよね…緋ちゃんv」 「…はい」 緋夜は震えながら小さな声で言った。 こうして、緋夜の仕事継続が決まり、殺人鬼追跡劇が始まった。
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