もう嫌だ

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「で、犯人の目星はついてるのか?」 緋夜の問いに、答えは迅速に返って来た。 「うん、先ずはこの写真を見て」 緋夜は写真を見た。殺人現場の写真だった。その悲惨な光景に思わず目を伏せたが、好が無理矢理見せてきた。 好は死体を手で隠すようにしてある一点を指差した。 「この人、手で何を書いてると思う?」 緋夜は目を凝らしたが小さ過ぎてよく分からなかった。 「『我らが神よ、贄はここです。どうぞ我らのもとに』」 緋夜が文章の内容に動揺している間に、好は素早くパソコンであるサイトを出した。 「このサイトのブログに、こう書いてあるんだ。『神よ、前の贄はお気に召さなかったのですか?では次を用意します』」 「!」 「この三日後に、二人目が死んだ」 「…何だよ…それ」 狂ってるとしか言いようがなかった。意味不明な行動の危ない殺人鬼。早く捕まえなくては。そう心から思った。 「早速こいつを捕まえに行こう!」 緋夜は部屋を飛び出そうとして、好に止められた。 「待った待った緋ちゃん!ちょっとこれ見て」 「ん?」 緋夜はパソコン画面を見た。チャットルームで、人数は六人。みんな神がどうとかの話ばかりだ。 「これは…」 「犯人は複数ってこと、そのうち何人かが殺人をした。だから場所も時間もばらばら。警察捜査難航理由その1」 「じゃ、どうするんだ?」 「大丈夫、俺に任せて。実は俺、ここの副リーダーで「へ」「ほぅ」「ふ~ん」 緋夜はしっかり好の肩を掴むと危機迫る顔で言った。 「自首しろ!」 好は慌てて言った。 「落ち着いて。俺は殺しはしてないから。それどころか、副リーダーの地位を使ってメンバーを一カ所に集めたんだから」 「一カ所に?」 「そ。俺の仕事は終わり。次は緋ちゃんの仕事だよ」
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