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リーーン、リーーン
突然、ベルの音が部屋全体を包んだ。
何っ?!と驚くシオに
「始まりのチャイムだよ」
とウィルが笑顔で答えた。
その後、席は特に決まって無いんだ。という彼の言葉に従い、シオは彼にくっついて窓側の前から二番目の席に座った。
「おはよう」
聞き覚えのある声にふと目を向ける。
その先には科学と生物の教師、ジェラルミンが扉を開けて入ってくるところだった。
彼は一直線に教壇に立つと黒い大きな手帳を広げ、そこに書かれた生徒の名前を読み上げていった。
「ミス・シロン…」
「はい」
「ロンド・ガルシア」
「はい」
まるで決まった音楽のように名前を呼ぶと返事が教室に流れた。
そして最後に、
「シオ・アールシュッツ」
「はっ、はい!」
シオの名が呼ばれた。
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