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「ゼルぅー、もう歩けないよ…。」
旅路の途中、先に音を上げたのはロゼだった。
「おい、まだ半分も歩いてないぞ。」
ゼルは呆れた目をして道に座り込んだロゼを見て言う。
「戦闘経験が豊富なんじゃなかったのか?」
ロゼは息を切らして答えた。
「だって私、小さい頃に柔術やってただけだもん…。」
するとゼルはため息をつきロゼに話し掛けた。
「ロゼ、少し休むか?」
「うーん……。」
ロゼは少し考え込む。
「どうするんだ?」
ロゼは何かを決心したかの様にいきなり立ち上がる。
「私、もう少し頑張る!」
「そうか、なら行くぞ。」
二匹はまた歩き始める。
「ロゼ、お前の分の荷物も俺が持とうか?」
「え!?いいよ、大丈夫だから♪」
「そうか、ならいいが。」
ロゼはなぜかゼルの方を向いてニヤニヤしている。
「(ゼルってもしかして私に気があるのかな…♪)」
「ん?どうかしたか?」
「ううん、何でもないよ♪」
「……変な奴だ。」
すると、ロゼの背中にいきなり矢が飛んできた。
それにいち早く気付いたのはゼルだった。
「ロゼ!!危ないっ!!」
「きゃあ!?」
ゼルはロゼを突き飛ばした。
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