いくつもの日々を越えて

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「...は..?」 「一昨日..病院で...明日..告別式だッ..て...」 意味がわからなかった ちえりの涙声も耳に残らない 「..冗談でしょ?ちえり」 「こッこんな..こと...冗談で言わッ..」 「そうだよね..ごめん」 電話の向こうで泣き出すちえりにかける言葉が見つからなくて 数分間沈黙が続いた 「なんでか..知ってる?ちえり」 「...ッ」 言葉にはなっていないけど多分ちえりは首を横に振った 「..ありがとう教えてくれて...じゃあ明日」 ちえりの返事を待たずに私は電話をきった 頭がグラグラする 涙なんて出ない だって実感がわかないから その次の日も学校だと言うのに私は一睡もできず ちえりからの電話をきったままの体勢で動くこともできず 結局学校には堂々と遅刻して行った
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