第四章 恐れの歌

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天は思わず目を泳がせた。 昨日訪れた場所からだいぶ遠くへ来てしまったようだ。 ゆきるの声は、傍を流れ落ちる滝の音で、かすかにしか聞こえなくなっていた。 「あたしはここに住んでるの」 そうか、と天はひとりごとのように言うと、もう一度滝の始まりを見ようと試みた。
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