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やっと西瓜は半分になった。
天はその後また四分の一にする予定だったが、予想以上に時間がかかるとわかり、仕方なく半分をゆきるに渡した。
「半分でも、おっきいんだねぇ」
ゆきるは輝いた目で言った。
「うん」
天は、今にも西瓜にかぶりつきそうなゆきるに、慌てて付け足すように言った。
「あ、種がめちゃめちゃあるから気をつけてね」
「え?」
ゆきるは、それを聞いたころにはもう口いっぱいに西瓜の種を含んでいた。
「あーっ!これあれでしょ!種飛ばして遊ぶやつ!」
「遊ぶためにあるものじゃないと思うんだけどな……」
「ね、勝負しない?」
「何の」
「どっちが遠くに飛ぶか」
「イヤ……だからそんなの競って勝ってもさ……なんか微妙」
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