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翌日、大地と雄介はある中学の硬式野球チームを訪れた。そのチームの名は「淀川ボーイズ」。 このチームはほんの1ヶ月前まで大地と雄介が在籍していたチームである。ここ数年成績が思わしくなかったチームを大地達は僅か二年半で世界大会優勝チームにしたのである。この2人の強さを誰よりも感じているのはおそらく今ベンチのド真ん中にどっしりと構えて罵声を飛ばしている監督だろう。
「監督、お久しぶりっす。」
「おお、大地と雄介か。元気だったか?」
「見ての通り。」
「そうか、それよりちょっとみてくれよ、うちのダラダラとした練習を。これじゃまるで練習にならない。世界大会優勝なんて夢のまた夢だ。」
また監督の愚痴が長引きそうだったので大地は早めに話を変える事にした。
「そう言えば監督。今日僕たちがここに来たのはある報告があるからなんですよ。」
「なんだ?」
「実は僕たち2人は海王学院に行くことになったんです。」
「海王学院か・・・・・そうかおめでとう。」
「ありがとうございます。」
「お前ら2人だったら海王だろうがどこだろうがレギュラーをはれるだろう。それに海王なら甲子園に行ける可能性もあるしな。もし決まったら報告に来いよ。みんなで応援に行くからよ。」
「はい。」
「で、今日はこれからどうするんだ?もしよかったらこいつらを指導してくれんか?お前らの言うことならちゃんと聞くだろうしな。」
「いえ、今日は報告だけのつもりできたのでこれで失礼します。」
「そうか。残念だな。じゃあ、またいつでも遊びにこいよ。」
「はい。では失礼します。」
「ああ。気をつけて帰れよ。」
「はい。」
そういうと2人はグランドに背を向けて歩き始めた。
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