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「それが連邦軍の回答か!」
ジェラルドは上官の前で、なんとかそれを言わずに、腹に戻した。
ただ、苦虫を噛んだような表現までは隠せない。
「そういうことだ。月並みな言葉しか言えないが…、まあ、向こうにいっても頑張ってくれ」
「自分は…軍上層部の回答が来たのかと思い、呼ばれたのかと思いました」
「あの上申書か」
上官は席を立ち背部の窓に視線を移す。
「タイミングが非常にまずかったな、ジェラルド・ギャリック少佐。ティターンズは反連邦的な言動や行動に過敏だ」
「とは言え、あの事件に疑問を抱く者は多く!」
「少佐!本来であれば!」
語尾が荒くなったジェラルド以上の声で、上官は彼の言葉を遮った。
「…本来であれば、君は処罰対象だ。主導権はティターンズにある。ジオン残党を軸とする反連邦活動は日ごとに増している。ティターンズは『疑わしきは罰せよ』の方針だ」
「…軍の回答は…つまり、いち軍人として軍に従えと…?」
「これ以上の詮索も、深追いもするな、ジェラルド。貴様の一年戦争での功績、日頃の勤勉さ、アースノイドであることが首の皮一枚つながったのだ」
ジェラルドは『30バンチ事件』の疑問を軍上層部に上申書という形で提出した。
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