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しかし、一週間も経たないうちにそれはジェラルドの異動という形で回答が帰って来たのだ。
名も知らぬようなコロニー警備の任務であった。
怒りや憤りを通り越し、やけに冷静になったジェラルドは軍宿舎に戻るとベッドに寝ころんだ。
「名も知らぬコロニーと言ったな、俺は…」
独り言をつぶやくと彼は自嘲して笑い出した。
「確かにそうだ。よくも『名も知らぬ』などと言えたものだ。我々連邦は宇宙に関心がなさ過ぎる」
宿舎の小さな窓から見える星が彼の目に映った。
それは皮肉にも美しかった。
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