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「レディ…? マイはかわいい嬢ちゃんじゃい」
老人がいった。今、居眠りから目覚めたような顔をしている。顔も多少赤い。酒を飲んだのだろうか。
「そりゃあ、おじいちゃんにしたら、みんなお嬢ちゃんでしょうけど…」
マイというメガネ娘はむくれたようだ。肩まで伸びた髪を手で払った。
「マイ伍長。レイモンド大尉と、ちゃんと言いなさい」
ジェラルドはマイに注意した。
「はい、少佐」
でも、ベグルのおっぱい発言はアリなの?
ジェラルドの注意に納得いかないマイは、小声で何かぶつくさ言っている。
「果たして、再び宇宙(そら)に戻れるか…」
ジェラルドもまた、誰にも聞き取れない声で、独り言のようにつぶやく。
不安なそうな、何か思い詰めたような表情で、彼は整ったアゴヒゲを撫でた。
彼ら5人を乗せたシャトルは、もうすぐ青き星へ到着する。
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