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「なぜだ…!」
ジェラルドは今、ジオン公国の至上最悪とも言える地球への「コロニー落とし」事件以上に憤慨していた。
彼は今軍施設内の宿舎にいた。ジェラルドにあてられた部屋には彼以外に男が一人。
「事実なのか…」
その男を責めるかのように、ジェラルドは問う。しかし、そういったあとジェラルドは冷静さを保とうとした。保とうとしなければならない、義務があったからだ。
「すまない、ヒューイ。お前こそ一番ショックなはずだ…」
「いや、気にするなジェラルド。正直、実感などわかない。死んだといわれ、はいそうですかと納得なんか出来るものか」
ヒューイは薄く笑った。
「致死性のあるウィルス…。有り得ない話ではない。ただ、いくら密閉されたコロニーにそれが蔓延したとはいえ…一人残らず死んだとは…」
ジェラルドは自分自身に確認するかのように話す。
「疑おうと思えば、いくらでも疑える。コロニーひとつ人が死んだんだ。いつものようにTVやネットでうるさいマスコミも何故か大人しい」
「…ヒューイ。だったらネットのガセネタこそが」
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