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二日目は班での自由散策。
僕は不思議な木彫りがあるという寺をとても楽しみにしていた。
しかしホテルから最初の目的地へバス移動しているときのことである。
ミツキ「疲れたぁ~」
そりゃおまえが昨日の夜中じゅう寝ずに漫画を描いているせいだ。と思ったがあえて「僕らも同じなんだから頑張って」と言った。
ミツキ「無理~」
おじさん「あの、どうぞ。」
なんとぐずるミツキに知らないおじさんが席を譲ってくれたのだ。年上に席を譲られるとは情けないと思いながら、「ありがとうございますー」とミツキのぶんまで礼を言う僕。
ミツキ「ほら、座ろうよ!」
えてん「えぇっ!?」
ミツキだけ座らせて自分は立っている気でいたのだが、ミツキに引っ張られて断るのは悪い気がしたので割り込むようにして無理矢理に座った。
酷く小心者だった僕は大きな罪悪感を抱きながら小さく震えていた。
(班の立ってるメンバーに気まずいなぁ・・・)
そこにおばちゃん集団が乗り込んできて、僕の前に立った。
おばちゃんA「まぁっ、若い子が座ってるわ。最近の若い子はなってないわね~」
おばちゃんB「ありえないわよね、いい度胸してるわぁ~」
おばちゃんC「親の顔が見てみたいわよね」
おばちゃんは次々に言い聞かせるようにイヤミや悪口を言いだした。譲ってくれないかしら?と優しく聞くのではなく、いきなりこういう言い方である。
確かに言われてもしかたがない状況なので立とうとミツキを見るとなんと眠っているではないか!
起こそうとしてこづいたが起きない。畜生たぬき寝入りか!しかし自分も真似をしてたぬき寝入りするわけにもいかなければミツキに無断で席を譲るわけにもいかない。(だいいち僕が一人立っても体格のいいおばちゃんは座れそうになかった)
僕は「すいません、すいません」と言いながら目的地につくまで必死でおばちゃんたちの悪口を我慢していた。
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