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部屋に戻るとミツキがカメラを貸してほしいと言い出した。
貸すといきなり鏡に向かって写真を構え、ひたすら撮り始めるミツキ。
「わけわかんない写真になるよ」と言うと「こういうの好きなんだよ」と言う。
謎だ。
昼のことで僕は完全にぐったりしてしまい、ベッドの中でうとうとしはじめていた。
しかしなんとなく口寂しくなり、かばんから旅行中のおやつとして買った飴を出した。
「花のくちづけ」大好きなキャンディで、自分だけ食べているのも悪いのでミツキにも一粒渡した。
ミツキ「これ、ひとつひとつ(個装の袋に)花言葉書いてあるの?」
えてん「うん。」
ミツキ「素敵。私こういうの好きだからメモりたいな。貸して?」
えてん「いいよ・・・」
僕はミツキに飴を二袋(二個ではなくまるごと二袋ということを強調しておく)渡した。全裸でひたすら紙に書き写しているミツキを見ながら眠った。
朝になった。昨日あれからどうなったのか。
ミツキはぐっすり眠っている。
僕はミツキが起きるのを待って聞くことにした。
しばらくしてミツキが起きた。
えてん「ねぇねぇ、飴どうした?」
ミツキ「食べた」
えてん「えっ、残りは?」
ミツキ「全部食べた」
嘘だろう?二袋もあったんだよ?
噛み砕いたというのか?
だいいち全部食べるのなら何故メモっていたんだ?空いた袋をためておけばいい話しじゃないか。
あと一日あるのに、帰りのバスでのおやつ無しかよーっ!
ミツキが非常識なのか、あるいは僕がトロいのか。
自分の過ちを反省するとともにミツキへかすかな怒りを抱きながらの旅行だった。
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