2/11
前へ
/13ページ
次へ
幕末―京都。 浅黄色の羽織を着て、刀を差した男達が歩いている。 「土方さん、私、疲れちゃいましたよ。」 土方と呼ばれたその男は、目元が涼しく、役者のような風貌であった。 「もうじき終わる…我慢しろ。それとも総司、先に帰るか?」 総司という男は剣客とは思えない優しい声をしていて、笑うと八重歯が見えた。 冗談話をしていると、通りの小さな神社の前に人だかりの前に着いた。 「きゃあ!」 女の声が聞こえる。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加