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「何事だ!!」 土方と沖田が人だかりを割って入る。 「み…壬生狼や!」 町人が叫んだ。 悲鳴をあげていた女は、なぜか刀を持っている。 「居んどくれやす!」 髷を乱して、男に向かって馴れぬ刀を振るっている。 「金返せゆうてるやろ!!」 「うちはなんも知らへんゆうてるどっしゃろ!!」 「とぼけんのも大概にしとき!!」 男が刀を振り下ろす――。 キィーン 刀と刀がぶつかる音。 土方の刀が女と、男の刀の間にあった。 次の瞬間―― ザシュッ。 男の首は地面にあった。
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