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「大丈夫か?」
土方は懐紙で血刀を拭っていた。
「…へぇ、おおきに。」
女は下ろし髪を揺らしながら頭をさげた。
「…総司…帰るぞ。」
土方は刀を納めた。
「えぇ…でも…。」
総司は女を見た。
泣いている。
「お武家様!!待っとくれやす!!
…うちを新選組に入れとくれやす!!」
土方と沖田は目を見開いた。
「なに言ってやがる。女に勤まる仕事じゃねぇ。俺達ァ命懸けなんだ。」
と、土方が言った。
「…うちにも命懸ける覚悟はあるさかい!!後生どす!うちはいつ死んでもかまへんのや…帰る所も…迎えてくれる家族も無い…!」
そう叫ぶと女は気を失った。
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