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「ねぇ、こんな町外れで一人で何してんの?
京へ行くなら俺ら案内するから一緒行かない?」
一人の少女が三人の男達に絡まれている。
周囲には民家もなく人気がない。
話しかけられた少女は真っ白な着物に淡い青紫色の帯をしめ、その細い身体に不釣り合いな刀を布製の袋に入れて大事そうに抱えていた。
スッ
彼女は何事もなかったかのように男達を避け、通り過ぎようとする、が......
ガシッ
一人の男が先へ行こうとする少女の肩を後ろから掴んだ。
「ちょっと待ったぁ、無視して行くことないんじゃない?」
グッ
気にせず先に行こうとするが男の力が強くて肩に置かれた手を振りほどく事ができない。
「....離して下さい.....」
少女は下を向いたまま透き通るような声で言った。
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