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「お前……合宿じゃないのか?」
『ああそうだぜ。ちょうど今日で折り返しだな。折り返し日の夜は毎回恒例らしくってさ、息抜きに花火遊びをするんだと』
「まだ、やらないのか……?」
『いんや。今ド派手に外でやってるよ。俺はこっそり抜けて合宿所のロビーにいる。ちょうど電気が落ちてて暗くてさ。ケータイは持ち込み禁止だからよ……。なぁ、お前もそろそろケータイ持たないのかよ?』
「そのうちな……」
『ホント……珍しいヤツ』
「悪かったな」
『あ、別にバカにする意味とかで言ってるわけじゃねーよ。ま、ケータイは持ってもらいたいなと思ってはいるけどよ。そうなったらそうなったで、心配事が出てくるから正直複雑ではある』
「なんだ?」
『俺、独占欲強いから。他の奴とメールしたりしゃべったりでもされたら……耐えられなくて、お前のことメチャクチャにしちゃうかも』
「は……?」
保臣の言っている意味が桂にはよく理解出来なかった。
「言っていることがよく分からないのだが」
『他の奴とメールしたりしゃべるのが気に食わないってことだよ』
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