幼年期

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「台与!魚が居る! あの紅い実は食せるのか?」 九郎に、少しずつ笑顔が見られる様になった。 「紅い実は食べられますよ。隣の木は触ってはなりません! 漆と言ってカブれますから。」 「ウルシ…? 切ってしまおうか…」 「なりません。 漆は椀などに艶を出したり、何より丈夫にさせる上薬になるのですよ。 この世に無用な物など無いのです。」 「…そうか。悪かった。」 九郎は、素直に真直ぐな少年に成長していた。
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