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誰かが泣いている。 私の桜の樹の下で… 母上… 母上… 「誰!?」 小さな男の子が、桜にしがみついていた。 小さな声で、呟きながら… 声を賭けるのも、ためらう程に真直ぐな瞳で、悲しみに満ちた瞳だった。 小さな身体を桜の花びらが優しく包み込んでいた。 私は、この瞬間を生涯忘れる事はないだろう。
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