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九郎は、作法に関しても、とても熱心だった。
まだ幼い…おぼつかない身体で…
読み書きも、すぐに覚えた。
この国の歴史、政事も…
(九郎様を御守りしなくては!私の命に懸けても…
いつか…私は、九郎様の為にこの命を投げ出そう)
全ての感情を押さえ、全身全霊で成長しようとしている九郎に、幼子の影は見えなかった。
(これが…国を、民を背負うと言う事か…)
台与の中で、何かが芽生えつつ在った。
それが、何であるか…台与はまだ、気付く事が出来なかった。
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