裏斬りの根源に…出会う。

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今日のテニス部は珍しく神奈川県の立海大付属へ遠征に行っている。 本来ならば遠征など珍しくなど無いのだが、今回は内容が多少珍しいといえるのだ。 レギュラー以外の者も全員連れていき、合同で練習をするという。しかも走り込みや素振りなどはなく、打ち合いのみだ。 そんなことをしてはほぼ全員がバテてしまうだろうと思ったが、部長の跡部が自信ありげに 大丈夫だ と言い切っていたから任せることにしたのだ。 そんなこんなで久しぶりに一人でゆっくりと放課後を過ごせる。 ということで、図書室に次の音楽課題の選定のために資料を探しに行くことにした。 「よっ…‥ふぅ‥」 自由だと思うと清々しい気分になり、まるで暗示にでもかけられたように楽しくてしかたがない。 大量の資料を一度机に置くと、再び本棚に向かう。 そして先程よりも多く前方が見えないほどに積み上げた資料を持ち歩いていると、声を掛けられた。 「わっそんなにいっぱい…先生、大丈夫ですか?」 資料は絶妙な角度で積み上げられていて、顔を動かすことは不可能。当然、相手の顔は見れずにいる。 「ああ、大丈夫だ‥」 相手の顔が見れないため、誰だか判断ができず無難な受け答えしかできなかった。 「…ぁ、?」 「わ、ちょっとそれヤバ‥!」 多すぎる資料の一部が傾いていたらしく、手元のほうから崩れていくのをその子は支えてくれた。 「す、すまない‥」 「ぷ、あははっ」 榊の困り果てた表情が見えてしまい笑いだす。
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