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しばらく後ろを追っていると遠堂は急にピタッと止まった。何事かと思い、俺たちも歩を止めるが、遠堂は急に走りだした。
「Σあッ!?」
「逃げた?」
「逃げたかも…」
「追うぞお前ら!!」
「えー…」
「えーじゃない!!」
せっかく追跡してたのにここで見失っては今までの努力が無駄になる!
乗り気じゃない二人を無理矢理走らせ、急いで後を追う。
にしても足速!?
何者なんだあいつ…
そうこうしてると、遠堂は路地裏の方へと入っていった。
「クソッ…三原、お前左から行け」
「らじゃ」
「冴木は右だ!」
「はぁい」
こうなれば囲い込み作戦だ。
二人を先回りさせ、俺はあいつの後ろを追う。
すると遠堂は身軽にパイプや壁を伝って登りだした。
「あいつは忍者か!?」
かと言ってここで諦めるわけにはいかない。
俺は遠堂の辿った道をなぞるかのように後に続いた。
建物の屋上に辿り着くと、遠堂は足を止めた状態でそこにいた。
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