26人が本棚に入れています
本棚に追加
俺、上城澪はロミオの生まれかわりである。彼の魂を受け継ぐ者として、唯一愛した女、ジュリエットを探し、幾千もの月日を経た。
そしてようやく巡り逢えた彼女は、
「…何。俺の顔に何か付いてる?」
「い、ゃ…別にっ‥」
立派な“男”だった─‥
何でだよ!?
やっと巡り逢えたのに同性って!!絶対君を愛すって誓ったのにっ!!!
…いや、こいつが彼女だってのは間違いって可能性もある。外見に惑わされて魂の本質も騙されてるのかもしれない!
こ、ここはまず本人に確認を取るべきだよな…
本当に彼女なら俺のことわかってくれるだろうし、記憶だってはっきりしてるはず!
そうと決まれば…
「遠堂、君…」
「なに」
そっと小声で俺は奴に話しかけた。
「ちょっと話があるんだけど、放課後空いてる?」
「無理」
‥‥‥‥‥‥‥
即答かよ!?
あぁあぁ…こんな奴、絶対ジュリエットじゃない!!
そうだ、そういうことにしとけば─‥
『また会う日まで…さようなら…‥ロミオ』
ッ─‥
もし本当にこいつが彼女なら‥
.
最初のコメントを投稿しよう!