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十二支の塔の中央にある屋敷のエントランス。
そこにカイト、ヒューズ、所奈、それに目を覚まし、記憶も戻った蓮が集まっていた。
「ナイトと巳午未(みうまひつじ)、剣と銃は倒した。ならあとは二十人弱だな」
と言ったのは蓮。
「十二支の塔の支部長である辰(たつ)がここにいることは少ない。だから十二支の能力者で気をつけるべきはあと『丑』『寅』『戌』『亥』の四人。あとは『雷』と……ああ、今は誰がいるかわからねぇ」
――『丑』
四界一死闘会の最中、ヒューズと戦い、冬美を連れ去った男。
――『寅』
同じく四界一死闘会の最中、葵とジャンヌを連れ去った男。
――『戌』
同上、カイトと戦い、秋葉を連れ去った男。
――『亥』
まだ会ったことがない人物。
――『雷』
「雷の能力者、チロルは俺が倒す」
蓮が戦ったらしい少女。
「それはいいけど、俺は戌と戦う」
一度負け、秋葉に何かしていた男。
「ふむ。私は丑だな」
何をされたのかもわからずに負け、そのうえ冬美を連れ去った男。
「私は暇だし、レヴィルについていくわ」
所奈は外へ歩いていく。
「ほら、行くわよレヴィル。『丑の塔』に」
「ふむ」
ヒューズもあとへ続く。
「蓮、そういや白湯羅って奴はどこにいんだ?」
「白湯羅?……ああ、糸の。『酉(とり)の塔』か『戌の塔』だと思う」
『戌の塔』……なら、ちょうどいい。
「んじゃ、俺はどっちにしろ『戌の塔』ってわけか」
カイトは『戌の塔』目指し、外へ出る。
「……チロル。今度こそ、決着をつけよう」
言い、蓮は屋敷の屋根へと上がる。
「チロルー!俺と勝負だぁぁ!」
屋敷から出た直後、蓮が屋敷の屋根の上で叫んでいた。
「なにしてんだ、あいつ」
――そして、十一時の方向にある『戌の塔』へと続く空中トンネルをくぐる。
と、
「また会ったわね、カイト」
そこには、ナイトと戦っているところを邪魔してきた『糸』の能力者、羽倉白湯羅(はぐらさゆら)がいた。
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