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イフリートはカイトのほうを見て笑った。
「はは!四年程前の再戦か!あのときは邪魔が入ったからな。今度は、お前に恨みはないが、俺の気分で死ね」
イフリートは飛び上がった。
「なんだ?」
イフリートは上空から火の球を次々とカイトめがけて投げた。
カイトは巨大な〝気〟を飛ばして火の球の大群を消し、〝気〟はイフリートに直撃した。
イフリートは地面に着地する。
「やるな。ナイトよ、こいつは殺していいんだよな?」
ナイトは微笑した。
「今さら聞くなよ」
イフリートは頭上に巨大な火の球を作り出した。
「それもそうだな」
カイトは防御の体勢にはいった。次の攻撃がわかったからだ。
数年前にイフリートが使った技〝地獄の火炎〟である。
イフリートは飛び上がり、巨大な火の球を強く叩き、カイトのほうに飛ばした。
「地獄の火炎!」
ものすごい勢いで落下してくる巨大な火の球を、カイトは〝気〟と剣で防ぐ。
カイトは巨大な火の球に押されていたが、途中火の球の勢いが弱まるのを感じ、〝気〟を放出して巨大な火の球をイフリートのほうに飛ばした。
イフリートは、野球の捕手が、投手の球を受けとるようにキャッチした。
「やるな」
イフリートはカイトに殴りかかってきた。
肉弾戦など予想もしていなかったカイトは、難なく吹き飛ばされた。
「いきなり卑怯(ひきょう)だぞ!」
カイトは立ち上がり、剣を構える。
「卑怯?お前、そんなこと言ってたら、死ぬぞ」
正論であった。
イフリートが再びカイトに殴りかかろうとすると、それをナイトが制した。
「なんだ」
「よく考えたんだが、イフリートがカイトを倒しても、俺は勝った気分にはなれないな」
ナイトは鞘に納めていた剣を抜き取り、構えた。
「選べカイト。俺と一対一か、俺とイフリートを同時に相手にするか」
カイトは、〝気〟の分身を三体作った。
「どっちでもない。四対二だ」
四人に増えたカイトは、一斉に巨大な〝気〟をナイトとイフリートに放出した。
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