第一話~ナイトとの戦い~

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イフリートはカイトのほうを見て笑った。 「はは!四年程前の再戦か!あのときは邪魔が入ったからな。今度は、お前に恨みはないが、俺の気分で死ね」 イフリートは飛び上がった。 「なんだ?」 イフリートは上空から火の球を次々とカイトめがけて投げた。 カイトは巨大な〝気〟を飛ばして火の球の大群を消し、〝気〟はイフリートに直撃した。 イフリートは地面に着地する。 「やるな。ナイトよ、こいつは殺していいんだよな?」 ナイトは微笑した。 「今さら聞くなよ」 イフリートは頭上に巨大な火の球を作り出した。 「それもそうだな」 カイトは防御の体勢にはいった。次の攻撃がわかったからだ。 数年前にイフリートが使った技〝地獄の火炎〟である。 イフリートは飛び上がり、巨大な火の球を強く叩き、カイトのほうに飛ばした。 「地獄の火炎!」 ものすごい勢いで落下してくる巨大な火の球を、カイトは〝気〟と剣で防ぐ。 カイトは巨大な火の球に押されていたが、途中火の球の勢いが弱まるのを感じ、〝気〟を放出して巨大な火の球をイフリートのほうに飛ばした。 イフリートは、野球の捕手が、投手の球を受けとるようにキャッチした。 「やるな」 イフリートはカイトに殴りかかってきた。 肉弾戦など予想もしていなかったカイトは、難なく吹き飛ばされた。 「いきなり卑怯(ひきょう)だぞ!」 カイトは立ち上がり、剣を構える。 「卑怯?お前、そんなこと言ってたら、死ぬぞ」 正論であった。 イフリートが再びカイトに殴りかかろうとすると、それをナイトが制した。 「なんだ」 「よく考えたんだが、イフリートがカイトを倒しても、俺は勝った気分にはなれないな」 ナイトは鞘に納めていた剣を抜き取り、構えた。 「選べカイト。俺と一対一か、俺とイフリートを同時に相手にするか」 カイトは、〝気〟の分身を三体作った。 「どっちでもない。四対二だ」 四人に増えたカイトは、一斉に巨大な〝気〟をナイトとイフリートに放出した。
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