第一話~ナイトとの戦い~

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「ちっ、でけぇ〝気〟だな。カイト」 カイトの放った〝気〟でイフリートはナイトに「疲れた」と言って消えた。 「能力者の人数が七十八名ってきいた」 「そうか」 ナイトは剣を構えた。 「知ってる能力を教えてくれたら助かる」 カイトも剣を構える。 「骨(ほね)」 二人の剣がぶつかり合い、すぐに離れる。 「操(そう)」 再び二人の剣がぶつかり合い、またもすぐに離れる。 「看護婦(かんごふ)」 二人は鍔(つば)迫り合いになる。 「なんだよ看護婦って」 「ナースだよ。いつでも好きな時にナース服になれるんだ。まあコスプレ的な能力さ」 「コスプレ、ね」 二人は離れた。 「他には何があるんだ?」 「蜂(はち)やメイド」 「メイドってまたコスプレかよ」 二人は剣と〝気〟を使って激しい攻防を開始した。 「猫もコスプレ能力だぞ」 「萌えってやつか」 「コスプレ能力はあとなにあったかな……。あ、巫女(みこ)と中国服だな。うん」 「戦闘はどうなんだよ」 「銭湯(せんとう)は一緒に入ってくれるぞ。コスプレ関係ないけどな」 「お前、葵が好きなんじゃねぇのかよ」 「好きだぜ。愛してる。だがな、あいつはわかっちゃいない」 「なにがだよ」 ナイトはカイトの剣を弾き飛ばした。 「サタンの素晴らしさを、だ」 カイトはカ●ハメ波の真似をする。 「うおらぁ!どりゃー!」 カイトの手から〝気〟が放出され、ナイトの肩をかすめた。 「そろそろ本気だせよ。ナイト」 ナイトはふっと微笑し、突きの構えをした。 「ナイト、突きなら〝レイピア〟のほうがいいんじゃね?」 ナイトは答えず、カイトのほうを見た。 カイトは目の前に〝気〟の壁を作った。 「気メテオ・ニードル」 メテオ・ニードルよりも遥(はる)かに早く、攻撃力も高い技が、〝気〟の壁を貫(つらぬ)きカイトの腹に貫通(かんつう)した。 「ぐはっ」 カイトは血を吐き、膝(ひざ)をつく。 「どうして今まで、葵のときも、俺のときも、本気を出さなかった」 ナイトは剣を鞘に納めた。 「弱いから」
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