第一話~ナイトとの戦い~

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「は、弱いから、ね……昔はそうだったかも知れないけど、今はどうかな?」 「!?」 ナイトの足が、地面から伸びている〝気〟の手に捕まる。 「なんだ?」 「ふう……」 カイトは〝気法〟で体の傷を治した。完全にではないが。 「さっき作っただろ。〝気分身〟だ」 カイトは剣を強く握りしめ、ナイトのほうに走った。 ナイトは地面から伸びている〝気〟の手に押さえられているので動けない。 「!?」 カイトの剣が突然、上のほうに飛んでいった。 「ナイト!何をした!」 見ると、ナイトを押さえていたはずの〝気〟の手は消えていた。 「俺は何もしちゃいない。白湯羅(さゆら)だな」 巨大な扉が壊され、女が入ってきた。 「あ、バレちゃった?」 「当たり前だ」 『十二支の塔』の門を壊していいのだろうか。 「ヒューズさん、ヒューズさんはどうした!中に入ってっただろ!」 ナイトは白湯羅を思いっきり殴った。 「そうだどうした」 白湯羅は頬(ほお)を擦(さす)りながら立ち上がった。 「痛いなぁ、もう。討伐隊の副隊長さんなら『巳の塔』に案内したよ」 どうやら生きているらしい。 カイトの前に〝レイピア〟が落ちてきて、地面に突き刺さった。 「あぁっと、私は羽倉白湯羅(はぐらさゆら)。能力は『糸』、よろしくね♪」 ナイトは再び白湯羅を殴った。 「うぅ……痛いですぅ……」 白湯羅は頬を擦りながら立ち上がる。 「よろしくね♪じゃねぇよ!これは俺とカイトの戦いだ!白湯羅、お前は引っ込んでろ!」 「ちっ」 白湯羅は舌打ちをして、門を壊して中に入っていった。 「死んでもしりませんからねぇーっだ!」 ナイトにアカンベーをしたあと、姿が見えなくなった。 白湯羅が門を壊したおかげで、『十二支の塔』はカイト側から丸見えになった。 塔がいくつか見えて、奥にあるマグマらしきところから湯煙(?)が昇ってる。高い壁が立ちはだかり、その上に屋敷がある。塔の上のほうから橋か何かがかかっていた。 「さあカイト、続きを始めようか」 ナイトは拳の骨を鳴らしながら、カイトに歩み寄ってきた。 「ああ」 カイトも拳の骨を鳴らしながら、ナイトに歩み寄る。 そして互いに睨みあう。
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