第六話~再戦~

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『巳の塔』上層部に四人の男女が集まっていた。 床に倒れているヒューズことレヴィルと蓮、壁に寄り掛かって荒い息をつく所奈、それにドアの隙間から屋敷を見つめているカイトであった。 「……………」 カイトがシェイナに見せられた、父親でありサタンのボスであるという光(らいと)の記憶。 ――頭を撃ち抜き、しかし直後に彼の能力『不老不死』が覚醒し、蘇(よみがえ)った。 「う……」 蓮が目を覚ます。 「蓮、大丈夫か?」 だが蓮は立ち上がり、身構えた。 「カイトぉぉ!今度こそ、死んでもらう!」 蓮は手の平に風の球を作る。 「多分そいつ、『記憶』のシェイナに何かされたのね」 なるほど。シェイナに記憶をいじられたのか。 「そっか。ならまぁ、絆でなんとかするかな」 カイトは呑気なことを言い出し、すぅぅっと大きく息を吸い込んだあと、 「凜もお前も、俺が守ぉぉーーる!!」と叫んだ。 ――ずきん。 「く」 蓮は頭を押さえてしゃがみこむ。 「前にも…どこ、かで…」 どさり、と蓮は気絶してしまった。 「隊長さん。俺、ちょっくら『未の塔』に行ってくるんで、蓮のこと頼みましたよ」 なんて言って、カイトは階段を下りていった。 「敵であるはずの私に託すなんて、どうかしてるわね。レヴィル」 むくり、と起き上がるヒューズ。 「ふむ。我々だからこそ、頼んだのだろう」 所奈はレヴィルを睨む。 「ところで、ジュジュはどこ?」 ヒューズは焦りもせずに答える。 「行方不明だ」 「あ~♪また来たんだね、えっと……?」 『未の塔』に行くと、変わらずに鳴海がいた。 「カイト」 「そうそうカイト♪ぼくは――」 「鳴海だろ。覚えてる」 ついさっきのことなので当たり前である。 「へぇ、なのに来たんだ……。ねぇカイト。さっきのアリスって人、帰っちゃった?」 「ああ」とカイトは頷く。 「そっか~♪なら、邪魔される心配はないね♪」 「!?」 鳴海の体が変化していく。 「獣人・未(ひつじ)!!」
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