第六話~再戦~

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カイトは〝気〟で剣を具現化し、握る。 「鳴海。悪いけど、負けねぇぞっと!」 剣を握っていないほうの手で〝気〟の球を作りあげ、鳴海へと放つ。 「効かないよ♪」 「っ!」 鳴海のいうとおりであった。 カイトが放った〝気〟の球は、動物の『未』の姿をした鳴海に当たったが、ダメージを与えるどころか逆に吸収されている。 「行っくよ~カイト♪十二支拳法、未の型・羊丸(ようがん)!」 鳴海は顔と両手両足までも羊毛の中にいれ、カイトの目の前には丸っこい羊毛がいた。大きさはカイトの二倍ほど。 「はぁぁ!」 カイトは跳び、それに斬りかかる。 「なっ!?」 やはり剣は羊毛に吸い込まれた。 「ちっ」 舌打ちし、カイトは剣を消して鳴海から離れた。否、離れようとした。 「なんだ!?」 羊毛の中から伸びてきた腕のような羊毛に包まれる。 「未の型・包羊(ほうよう)」 そしてカイトは気付いてしまった。鳴海のやろうとしていることが。 「死なないでね、カイト♪」 鳴海はそのまま塔の内部を転がりだした。階段も構わずに上っていく。もちろんカイトを包んだまま。 ヒューズは『午の塔』に到着した。 「ん?なんやレヴィル。……さっきの兄ちゃんはいないみたいやけど」 ヒューズは自らの剣・翔竜剣を構える。 「当然だ。お前は私が殺す。妹の仇をとるのは、私だからな!」 言うとヒューズはニレナへと駆け、対するニレナも走馬刀を出し、ヒューズに駆ける。 カンカン、カンカン―― 剣と刀とがぶつかり合う。 「はぁぁ!」 ヒューズが叫ぶ。 カン―― 「とりゃぁ!」 ニレナが叫ぶ。 カン―― 「……きりがない」 お互いに距離をとり、ヒューズがそう呟いた。 「そやな。なあレヴィル、竜を出しぃや」 「なに?」 ヒューズは顔をしかめる。 こいつ、どういうつもりだ?と。 「わいの馬とレヴィルの竜で戦わすんや。どや?」 ヒューズの返事も待たず、ニレナの体が変化していく。 「獣人・午(うま)や」 ヒューズは微笑し、 「いいだろう」と言った。
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