第六話~再戦~

4/6
前へ
/106ページ
次へ
ヒューズは翔竜剣を竜に変え、ニレナへと放つ。 「勝つのは私だ!ニレナ!」 「わいや!午の型・馬刃抜気!」 ヒューズの竜とニレナの馬が衝突する。 「竜が馬に負けるわけにはいかない!」 ヒューズは〝気〟で剣を作り、突きの構えをとる。 「万――」 何もないところに、連続で突きを放つ。 「そっちが突きならわいは、」 ニレナは竜と馬を跳び越える。 「午の型――」 二人の叫びが重なる。 「――突気!!」 「――馬川(うまかわ)!!」 ――カン! 「終わりだ」 剣で、ニレナの二刀振り下ろしを防ぎつつ、ヒューズはニレナを睨む。 「あんたもな」 「!?」 ニレナの口から出てきた三刀目が、ヒューズの左胸に刺さると同時、ヒューズが先程放った技・万突気が遅れて、しかし素早くニレナの体に直撃し、二人は吹き飛ばされるように距離をとった。 ――竜と馬は、まだぶつかり合っている。 「が、くっ……!」 『未の塔』上層部にまで転がってきた鳴海は、そこで人間の姿に戻った。 「効いたねカイト♪ぼくの四連コンボ♪」 鳴海の四連コンボ。 まずは未になり、死角をなくし、羊毛で相手を包み、最後に転がりながら包んだ中で攻撃する。 最後に放った技は、打撃タイプの技、未の型・羊万打(ようまんだ)。打撃回数は名前のとおり、一万回。 「ふ、くく……」 「え……?」 カイトが立ち上がり、鳴海が驚く。 「今ので勝ったつもりかよ、鳴海」 言いながら、カイトは全てのリストバンドをとる。その重さの合計は四百キロ。葵からもらったやつよりも重いのを使っていたのである。 「だったらもう一度♪獣じ――」 「させない」 カイトは一瞬にして鳴海を壁のほうに吹き飛ばした。 「う、く……」 「ふ~ん、まだ立てるか」 「当たり前……!」 鳴海の姿がかき消える。同時にカイトは下方に強力な頭突きをした。 それは素早く移動した鳴海へと当たり、鳴海は床を崩して下層部へ落ちていった。 「あ~、頭いてぇ」 カイトは床に倒れ込む。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加