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ヒューズは翔竜剣を竜に変え、ニレナへと放つ。
「勝つのは私だ!ニレナ!」
「わいや!午の型・馬刃抜気!」
ヒューズの竜とニレナの馬が衝突する。
「竜が馬に負けるわけにはいかない!」
ヒューズは〝気〟で剣を作り、突きの構えをとる。
「万――」
何もないところに、連続で突きを放つ。
「そっちが突きならわいは、」
ニレナは竜と馬を跳び越える。
「午の型――」
二人の叫びが重なる。
「――突気!!」
「――馬川(うまかわ)!!」
――カン!
「終わりだ」
剣で、ニレナの二刀振り下ろしを防ぎつつ、ヒューズはニレナを睨む。
「あんたもな」
「!?」
ニレナの口から出てきた三刀目が、ヒューズの左胸に刺さると同時、ヒューズが先程放った技・万突気が遅れて、しかし素早くニレナの体に直撃し、二人は吹き飛ばされるように距離をとった。
――竜と馬は、まだぶつかり合っている。
「が、くっ……!」
『未の塔』上層部にまで転がってきた鳴海は、そこで人間の姿に戻った。
「効いたねカイト♪ぼくの四連コンボ♪」
鳴海の四連コンボ。
まずは未になり、死角をなくし、羊毛で相手を包み、最後に転がりながら包んだ中で攻撃する。
最後に放った技は、打撃タイプの技、未の型・羊万打(ようまんだ)。打撃回数は名前のとおり、一万回。
「ふ、くく……」
「え……?」
カイトが立ち上がり、鳴海が驚く。
「今ので勝ったつもりかよ、鳴海」
言いながら、カイトは全てのリストバンドをとる。その重さの合計は四百キロ。葵からもらったやつよりも重いのを使っていたのである。
「だったらもう一度♪獣じ――」
「させない」
カイトは一瞬にして鳴海を壁のほうに吹き飛ばした。
「う、く……」
「ふ~ん、まだ立てるか」
「当たり前……!」
鳴海の姿がかき消える。同時にカイトは下方に強力な頭突きをした。
それは素早く移動した鳴海へと当たり、鳴海は床を崩して下層部へ落ちていった。
「あ~、頭いてぇ」
カイトは床に倒れ込む。
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