第七話~五人の戦い(前編)~

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白湯羅は糸を操り、壁を作る。もちろん〝気〟を込める。 「さぁ来て、ナイト♪」 ナイトはさらに燃える。 「隕石に炎の剣・フランヴェルジュ。くらえ!白湯羅!」 刹那、ナイトの姿がかき消えた―― 「がふっ!?」 糸の壁などないかというように、それは白湯羅に直撃した。 「……フレイムメテオ(燃える隕石)。そのままの名前だろ?」 ナイトは剣を杖代わりにして倒れ込む。 「はぁ、くそ……」 先ほどカイトと戦ったときの傷・〝気〟の消耗。そして体力を大きく消費する今の技・フレイムメテオ。 ナイトは立っているのもやっとの状態であるのだ。 「おい、白湯羅――」 「まさかナイト。あれが本体だとでも?」 突然、白湯羅が吹っ飛んでいったほうではなく、ナイトの背後から、そんな声が聞こえた。 「十二支剣法、丑(うし)の型・闘牛(とうぎゅう)!」 亙は牛の形をした〝気〟を放った。 「万突き……!」 ヒューズは負けじと一万回突きを放つ。 ――キィィン! 「ほう、やるな。副隊長」 「当然だ。私は剣士には負けない……!」 「ならば――」 刹那、亙の姿が見えなくなり、 「ぐがごっ!?」 ヒューズは吹き飛ばされた。 「丑の型・凶牛(きょうぎゅう)……」 あの、見えない攻撃である。 「苦戦しているようね、ヒューズ」 千尋との戦いが終わった所奈が、二人の間に立っていた。 「所奈。手出しは無用だ」 「よく言うわ。あなた、まだ戦う気?」 ヒューズは唇を噛み締める。 「お前、隊長だな」 亙が所奈に歩み寄り、 ――バァン! 銃声が響き、 「く……!」 銃弾が命中した。 「中々早かったぞ、隊長」 ただし、所奈に。 「銃弾を打ち返すなど、私にとってはたやすいこと。……言っておくが、能力関係なしに剣士としてなら、私はサタンの中では一番強いぞ?」 亙はそう告げた。 「ほう……」 ヒューズは傷口を押さえながら立ち上がる。 「ならば、貴様に勝てば私は剣士として一番になれる、と解釈していいのかな?」 所奈はそんなヒューズのことを心配もせず、亙を見据えている。 「構わん。私以上に強い剣士など、この世にはいないだろうからな。……いや、待て。そうだ。英雄を倒せば、私は真の剣士になる!」
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