アリス

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■■■ 「香水?」 と栄太郎が訊ねる。 「ラベンダーよ」 とあたしは云う。 「母さんが作ってくれたの」 またバス停が見えてきた。今度は『大鳥さんの牧場前』だ。バス停の横の農地に牛が2頭いる。 母はあたしが小さい頃に死んだ。 正確に云うと母は殺されたのだ。そして、あたしは犯人を知っている。 だから、あたしはこの街に残った。 財宝を守るためじゃなく、母の敵をとるために。 それがあたしを支えるすべて。
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