日本籠球高校

日本を変える学校

晴天の空に、春風が吹き渡る。

輝かしく咲き誇る遅咲き櫻の美しさ
綺麗な翼を持つ華奢な小鳥の優しい囀り
天に向かって静かに聳え立つ堂々たる高さを持つ木々の朝露
風によって香りを運ばせながら小さく生える可憐な花

自然達が五感を刺激し、気持ちを高揚させる。
新たな舞台、新たな出発を盛り上げるかの如く真新しい服装を身に纏った新入生達を祝福する。

入学式の朝――
登校中、たまに見掛ける同じ高校の生徒達。平均身長を測れば全国一になるだろう長身揃い。

だが、その背丈以上に注目すべきは制服ではなく橙色のジャージである事……バスケットボールと同じ橙色のジャージで、胸元に“JAPAN BASKETBALL HIGHSCHOOl”と書いてある。

和訳すると“日本籠球高校”
“日本籠球高校”は背中に書かれている。

「珍しいよなー。
最初の登校からジャージなんて……」

こう呟くのも当然だ。
初日からジャージ登校なんて理解しがたい。だが、バスケ専門学校なので充分に有り得る状況だ。