24人が本棚に入れています
本棚に追加
テレビでこんなタイトルのドラマがありました。出演者は、小林聡美、もたいまさこ、室井慈の三人で内容は『ほのぼの、おとぼけ』の少し笑えるドラマでした。『猫が好き!』というタイトルの割には猫は殆ど登場してきません。猫好きの私としては少し肩透かしを食った感じがしましたが、毎週なんとはなく見てました。私にとっては、あればあったで良いけれど、無くても困らない、そんな感じのドラマでした。
夏目漱石の『我輩は猫である』は余りに有名で、その内容については話す必要もないと思いますが、猫の視点を通じて人間の生活を諧謔的に描いています。
では、何故あの作品が今日も色褪せる事無くみんなに読まれているのでしょうか?
恐らくは、文化や歴史的背景は違えどもそこに生きる人間の姿が本質的で普遍的に描かれているからだと思うのです。ここで、本質的とか普遍的というのは、どんな人間にでも共通する部分、換言すれば、共感できるという事です。それは人間の情感に訴えてくるものです。これが多くの人の支持を受けている原因になっていると思うのですが、あなたはどう思いますか?
漱石の弟子に『内田百間(ひゃっけん)』という人がいます。この人は無類の猫好きで、『ノラや』という作品は猫好きの人間にとって強く胸を打つものがあります。
内容は、ある日、百間の家に野良猫が迷い込んできます。その愛くるしさに一目惚れをした百間はその猫を飼う事にします。ノラと名付け楽しい日々を過ごします。ところが、ある日ノラが忽然と姿を消してしまいます。それから、百間の辛くて悲しい日が始まります。
ノラを探して見つからずには泣き、ノラを思っては泣き、ノラに似ている猫を見ては泣きます。いい年をした大人がですよ。その哀しみが文面から『ひしひし』と伝わってきます。
さて、ノラは見つかったのでしょうか?興味のある方は一度読んでみては如何でしょうか!?
(*)『百間』の『間』の字は本当は違います。昔の字なのでないみたいです。
何を隠そうこの私も『猫』が好きなのです。何故好きなのかは上手く説明できませんが、あの上品で美しい肢体に、愛くるしい顔が絶妙なバランスを保っている、そんな理由からかも知れません。
最初のコメントを投稿しよう!