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あるところに少女がいた 小さな小さな少女がいた 少女の家は貧しかったが 父も母も仲が良かった なにもない家だったけれど 愛があるからそれでよかった 少女は幸せに暮らしていた ところがとある金曜日 幸福な時代は終わりを告げた 残虐で恐ろしい青の民が 少女の家を襲ったのだ 父と母は殺された 何の意味もなく殺された 食べ物も金も奪われず ただ殺すために殺された 両親の命を奪った まだあどけない殺人鬼 青の民が英雄と呼ぶ 人殺しの顔は忘れなかった 少女はか細い両腕で 大きな銃を持ち上げた 感情をなくした暗い瞳で こころをなくした暗い瞳で 幸福を奪った殺人犯に 胴上げされて笑う悪魔に 静かに照準を合わせた… 以下、エンドレス…。… 完
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