蛍の君へ

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陽太と俺が仲良くなったのは、確か小学三年の夏休み前―… 俺は些細な事から今まで連んできた友達に嫌われた。 次の日からは俺の事なんか無視で、そいつしか友達のいなかった俺は一人孤立した。 すごく惨めで、放課後 誰もいない教室で泣いた。 そしたら忘れ物を取りに学校に戻って来た陽太が俺に気づいて こう言ったんだ。 「気にするな、よくある事だ」 陽太は名前の由来通り、太陽の様に眩しい笑顔で俺を慰めてくれた。 そこから、俺と陽太は仲良くなったんだ。 中学の時は、俺が怪我して陸上部の全国大会に行けなかった時も 陽太はああ言って俺を慰めてくれた。 第一希望の高校に落ちた時も 「気にするな、よくある事だ」って俺の背中をバシバシ叩いてたっけ。 俺はいつも陽太に助けられてばかりだ… .
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