蛍の君へ

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不意に感謝の言葉が言いたくなって「ありがとう」って言ったら「どういたしまして」だって。 多分陽太は、許してくれた事に対しての「ありがとう」だと思ったんだろうな。 「冬真、そろそろ帰ろう」 「ん、陽太、もう良いのか?」 「充分。当分は蛍もこれで見納めか」 俺たちはもう社会人になる。別々の場所で生きて行くんだ。 お互い別れを言う為と、陽太の好きな蛍を見に俺たちは思い出の詰まった「蛍見川」に来た。 周りは森に囲まれていて、薄ぐらい。少し不気味な場所だか美しい川が流れている。そして夏の夜は、ここは 蛍の光でいっぱいになるのだ。 .
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