蛍の君へ

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「冬真」 「ん?」 「多分、今日で最後だよ」 陽太は柔らかに握っていた手を広げ、そっと蛍を解放する。 するとその蛍は俺の胸元に止まった。 「陽太、どういう事だよ?」 「そいつも俺と一緒なのかな…冬真と離れたくないってさ」 なかなか真相を話さない陽太に俺はイライラして声を荒げる。 「陽太!!」 「…死ぬんだ。俺」 陽太は俺の胸元についた蛍を取り、俺の手を広げた。 そして俺の手のひらに蛍を乗せ、逃げない様に優しく陽太も自分の手を上から被せる。 互いの手の中で蛍が動く。なんだか くすぐったい… .image=75132900.jpg
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