0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「冬真」
「ん?」
「多分、今日で最後だよ」
陽太は柔らかに握っていた手を広げ、そっと蛍を解放する。
するとその蛍は俺の胸元に止まった。
「陽太、どういう事だよ?」
「そいつも俺と一緒なのかな…冬真と離れたくないってさ」
なかなか真相を話さない陽太に俺はイライラして声を荒げる。
「陽太!!」
「…死ぬんだ。俺」
陽太は俺の胸元についた蛍を取り、俺の手を広げた。
そして俺の手のひらに蛍を乗せ、逃げない様に優しく陽太も自分の手を上から被せる。
互いの手の中で蛍が動く。なんだか くすぐったい…
.![image=75132900.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/75132900.jpg?width=800&format=jpg)
![image=75132900.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/75132900.jpg?width=800&format=jpg)
最初のコメントを投稿しよう!