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だから俺も決めた―
「…陽太」
「うん?」
「俺、陽太が死んでも泣かねぇから。お前が決めた道なら、たとえどんな道だろうと 俺は笑って送ってやる」
「あぁ…ありがとな」
満面の笑みを浮かべながら 陽太は俺の手の上から自分の手を離した。
そして蛍は名残惜しそうに羽をばたつかせ、ゆっくり暗闇の中へ飛んで行った。
あぁ、もう行ってしまうのか―
「…なぁ冬真、俺たち親友だよな?」
「当たり前」
「良かった。
じゃあ、俺そろそろ行くな」
「あっ…陽太!!」
「ん?」
―恥ずかしいと思った。それでもいつ死ぬか分からない陽太には 今言わなければならない。
後悔しないように…
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